ひまのかいぼう
わしは、ねこ探検家ベッチー。
もと不良。通称「ベッチー」。ちまきでは「ベッチー」でとおっている。
本名は「ベッチー」。
おんとし1さい。ぴちゃぴちゃのギャル。
わしの家族は「しいかあさん」と「みいかあさん」と犬探偵の「ゾーイ」と後輩猫の「あめ」。
なんでだろう
ひまだ。なんでこんなにひまなんだろう。
探検家なんで、探検すればいいんだけど、いまちょっとそういうきぶんじゃない。
探検休業中。
本もよみたくない。そしてひま。
ひぃまぁ。ヒマッ。ヒューマー。
イントネーションをかえても、巻き舌にしても、きぶんはかわらずひま。
ひまってなんだろう?なんでひまなんだろう。
みんなどうしているんだろう。
仕事(人間が日々心身を注ぐ宗教)でもしようか、しまいか。
トビオアのトビ by シェイクスピア。
ひまのしょうたい
ひまがすぎるので、ひまってなにかをけんきゅうすることにした。
まずはひまを採集するひつようがある。
意識をひまに集中するとあたまんなかに「ひま」がだんだんかたちになってくる。
それをちょっとおろして、のどのあたりに移動する。
のどのまんなかまできたら、いっきに吐く。
吐いたら、それを研究室(2かいにある)までもっていく。
これをしらべれば、ひまの正体がわかるはず。
ちなみにひまのかたちは、ちょっと灰色がかった白色の雲みたいな感じで、匂いは古い本みたい。
ひまのかいぼう
採取したひまを助手のあめトンくんとともに解剖することにした。
こちらがあめトンくん。
若さだけが取り柄。あとくっつくと温かいのも取り柄。
若さと温かいのダブルカップ。
さっそく解剖してみた。けっこうじゅうだいな発見があった。
さっそく(あめトンくんが)論文にして猫科学雑誌『ニャウチャー』におくることにする。
どんな発見か。それは、
ひま=らくで安全で安心になった代償
ということじゃった。
まずは採取したひまを、犬が飲んだ水にねむの木の葉っぱ、ちいさい蜘蛛の死体、みみくそにいれてよく溶かしたところにぶちこむ。
するとひまはきれいに分解する。
分解されたものねこんびきょうという拡大鏡でしょうさいをみる。
すると分解されたもののひとつは「苦労」だった。
苦労をさらに分解すると「たべものをさがしてみつけてたべる」と「「ねどこをさがしてみつけてねむる」や「あったかいばしょをみつける」「なわばりをつくってまもる」などになった。
この苦労をつかわないで放置したため、ひまに変質してしまったようなのだ。
さらにもうひとつのひまの構成要素は「警戒」だった。
これは敵やなわばりをうばいにくるやつ、元気過ぎるオス、悪い人間や車などから身を守ろうとするもので、これも使わないことで変質して、ひまとなってしまっている。
つまりである。
ひまをひまでなくするためには、家出をするのがいちばんということである。
助手のあめトンくんと相談し、わしらはひまを受け入れ、家出という選択はゴミ箱にすてることにした。わしのうちのゴミ箱はふたがついていて、チッキンにある。
わしは、ふたがあくのをまって、家出という選択をすてておいた。
これが、わしがチッキンで待機しているときのりりしいすがた。
なぞはせかいにちみちみている。
1つずつときあかしていこう。
探検家ベッチーことベッチーでした。
BB